モクジ
キャラクター紹介

メインキャラ

(皇帝)アメジスト・E・ブルースター=バレンヌ

 大きな紫の目、腰まであるぬばたまの長い髪をした帝国史上最年少、そして初の女性皇帝。即位時は十四歳。ミドルネームのEは「エオ ス」。
 双子の妹として生まれ、兄は予言どおり魔力に優れて生まれたが、アメジストが生まれることは予言されていなかった上、占術士に「惑わす者」と未来視され、忌み嫌われた存在。幼いころは暗殺をなるべく避けるため、兄とともに少年とも少女ともつかない格好をしていた。
 しかし、高貴な生まれでは珍しく人の話をよく聞く娘であったため、ひそかに味方も多い。
血筋はバレンヌで王族の次に座するブルースター公爵家。儀式などを取り扱う一族であるが、そもそもブルースター家を興した人物は『始まりの皇子』ジェラールの末娘。つまり、ジェラールの血を引いている。そのため、年若い女性であったアメジストも皇帝として認められた。
 生来は左利きであったが、双子の兄が右利きであったため、右を使う訓練を受けている。基本的には右手を使うが、物を投げるときなどやとっさの場合は左手を使う。


サジタリウス・D・フォスター

 肩につかない程度の長さの青みがかった黒髪、同色の目の術士。風術、水術を操り、さらに弓も扱う。ミドルネームのDは「ドライツェン」。アメジスト即位時は二十六歳。直属近衛の証はオブシディアン(黒曜石)。

 直属近衛で唯一の既婚者。生まれは末席の貴族だが、アメジストの母親「焔姫」を後見に持ち、さらに焔姫の侍女であった伯爵家の娘に婿入りしたことによって位が上がった。その時点で既にサジタリウスにはほかの血縁者が絶えていたため、アンダーソン家(サジタリウスの生家)は断絶となった。
 アメジストの兄弟子にあたり、アメジストが生まれた頃からの付き合いのためか、半ばお父さんと化している。
 おっとりした性格で、いつもにこにこと笑っている。彼が声を荒げるところを誰も見たことがないというが、どこか刹那主義なところがある。
 実は酒(の味)が苦手なため、好んで呑まない。煙草はごく稀に吸う程度。

ジェイスン

 茶に近い金色の髪を毛先だけオレンジに染め、色つきの片眼鏡という奇抜な格好をしている。目は緑。アメジスト即位時は二十二歳。直属近衛の証はラピスラズリ(瑠璃)。
 アメジストが即位するより少し前にアバロンに流れ着いた、腕利きの傭兵。外見に反してかなりの物知り。
 厳しいのか優しいのかよく分からない性格で、一見近寄りがたい雰囲気を持っているが面倒見はいい。
 髪の毛の長い人間をみるとつい引っ張りたくなるらしい(犠牲者はアメジストとリチャード)。
 バレンヌ国内で何かを探っているらしいが、何を探っているのかは誰も知らない。

ジェシカ・O・ラズウェル

 アメジストの幼馴染その1。

 すらっとした肢体に短く切りそろえられた薄い緑色の髪、青い目をした美少女。ミドルネームは「オフィーリア」。アメジスト即位時は十九歳。直属近衛の証はブルームーンストーン(月長石)。
 武門に秀でる伯爵家の跡取り娘(兄弟はおらず、一人娘)。武器は剣(メイン)、小剣(サブ)。そのほか、術研究所で術を習っており、簡単な地術が扱える。
 アメジストと歳が近いため遊び相手に、と城にあげられた。無論、そこには出世したい親の思惑その他が絡んでいるのだが、本人たちはそんなこと関係なく良好な関係を築いている。
 勝気な性格だが、面倒見がいい。だがとある経験により、虫全般が一切ダメ。
 センスがよく、おしゃれ好き。休みの日などは女性らしい格好をする。
 時々アメジストをいじくり倒して遊んでいたりする。髪が硬くて多いため、髪の毛を伸ばせないのが悩み。
 彼女にとってアメジストは可愛い妹のような存在。
 カンバーランド内乱の際、左腕の肘から下が動かなくなる大怪我を負い、退軍。その後リチャードと結婚した。

リチャード・J・ヘイワード

 アメジストの幼馴染その2。

 腰をゆうに超える長さの緑色の髪、グレイの目をした偉丈夫。ミドルネームは「ジーン」。武器は大剣。アメジスト即位時は十七歳。直属近衛の証はジェイド(翡翠)。
 武門に秀でる伯爵家の末っ子(次男坊。ちなみにたくさんの姉がいる)であり、ジェシカと同じ立場で城にあげられた。
 すでに伯爵家は兄が継いでいるが、大剣の扱いにおいては弟であるリチャードの方が数段上。
 ラズウェル家とはライバル関係だが、本人たちはあまり気にしていない。
 騎士たるもの、常に冷静であろうと努めているが、隠し切れず片鱗がでることも。
 基本的には真面目で融通が利かないタイプ。ジェシカと同じく、虫全般が一切ダメ。
 なお、髪の毛が長いのは願掛けをしているからであり、面倒だから切らないわけではない。


サブキャラ

クロウ

 情報収集を任務とするシーフ。白兵戦は不得手。
 皇帝が表立って行うことの出来ないことがらを処理するのが仕事。
 男性にしてはかなり小柄という目立つ容貌でありながら、類稀な変装術のおかげか失敗は一度もない。
 基本的には赤っぽい茶髪、同色の目。武器は小剣。
 アメジストに異常な執着を持っており、自身もそれに気づいている(ちなみにアメジストは気づいていない)。

シーシアス

 アメジスト即位時は十六歳。
 ジェイスンに(なぜか)なついている。
 まだ子どもの頃に両親が亡くなり、幼い弟妹たちを養うため出稼ぎに来た。
 学校に通っていなかったため読み書きが全くできなかったが、ジェイスンの指導のおかげで簡単なものなら読み書きできるようになった。
 結構苦労しているのに、それを全く感じさせない。良くも悪くも自然体。
 かなり明るい金髪に青い目、どちらかというと小柄なほうだが、クロウほどではない。
 アメジストのことを「姫さん」と呼ぶ。
 ティファール出身。

ライブラ・A・ブルースター

 アメジストの双子のきょうだい。ライブラが兄、アメジストが妹。ミドルネームのAは「アストレイア」
 外見は、アメジストそのまんま。鏡に映した姿かと思うほどそっくり。
 親から言われたからとはいえ、嫌がりもせずに女装(に近い格好)をするくらい、妹大好きな兄。
 そっくりなことをいいことに、しょっちゅうアメジスト入れ替わって周りをからかって遊んでいた。
 魔力が人並みはずれて高く、将来を期待されていたがアメジストを厭う人間たちに、手違いで殺されてしまう。
 十歳のときに亡くなっている。

ルイ

 先帝の一人息子であり、ジェラールの直系。元々は彼が皇帝になるはずだった。
 軍を預かる総大将で、位は「大公」。アメジスト以外が彼を呼ぶときは「殿下」。
 幼いころはアメジストたちと仲がよかったが、アメジストが皇帝となってからは人が変わったように冷たくなる。
 肩よりやや長めの金髪、暗めの青い目。武器は弓(メイン)、剣(サブ)。光術使い。
 戦略的な意味で、皇帝となったアメジストに求婚したことがあったが、断られる。
 今は、カンバーランドの(王位継承権を持つ)貴族の娘と政略結婚をしている。

ロビン

 ルイに絶対の忠誠を誓っているシーフ。いずれアメジストを廃し、彼を皇帝にすることを絶対の使命としている。
 かなり明るいはしばみ色の髪に緑の目をした、中性的な美形。
 その美貌と巧みな言葉を使い相手を暗示にかけ、言うことを聞かせるのが常套手段であるが、戦闘もこなせる。武器は剣。

レグルス

 「森の賢者」と呼ばれる老人。ハリア原生林にある「聖域」に居を構えている。ジェイスンの育ての親であり、どのような生き方もで きるようにといろいろな知識を教え込んだ。

エンリケ

 数百の手下を抱える海の王者。軍を立てず少人数で自ら乗り込んできたアメジストを気に入り、帝国に協力することを約束した。
 日に焼けた褐色の肌をしており、潮焼けした髪の上にオレンジ色のキャプテンハットを被っている。
 ジェシカがお気に入りで、よくセクハラまがいのことをして嫌われている。それでもめげないということは実は一途なのかもしれない。

トーマ

 本名はトーマ・リュシエル。カンバーランドの末王子。歳をとってからできた子であることから、カンバーランド王ハロルドをはじめ、周りから大変かわいがられている。勇猛な兄や才女の姉を持ちながら、それにコンプレックスをあまり抱かず、自分が何ができるかを考えている。小さいころは好奇心旺盛な少年だったが、今現在はものすごく恥ずかしがりや。

ゲオルグ

,  本名はゲオルグ・イグナーツ。カンバーランド第一王子。武器は剣がメインだが槍も扱え、さらに初歩の水術の心得がある。
 アメジストの元婚約者であり、勇猛果敢で知られる騎士だが、激情型で、思い込みの激しいところもある。婚約時はアメジストが幼かったのもあり、異性としての感情は持っていなかったが、今は自分にとって必要不可欠な存在と考えている。
 よくも悪くもまっすぐな気質のため、いろいろと自由な(ように見える)ジェイスンの存在を面白く思っていない。
 カンバーランド内乱が治まった後、妹ソフィアとホーリーオーダーを結成し、一部の聖騎士たちを伴ってバレンヌへ行き、退軍したジェシカの後釜として直属近衛となる。直属近衛の証はキャストライト(十字石)。

ポール

 本名はポール・ジークヴァルド。ゲオルグの親友であり、右腕。ソフィア王女と婚約している(二人とも成人しているが、婚姻はフォーファーの統治が落ち着くのを待って行う予定)。国の事情はあれど、結果的にゲオルグを振り回したかたちになったアメジストをあまりよく思っていない。

ソフィア

 本名はソフィア・ロゼ・アンジェリカ。カンバーランドの王女。天才的な術者であり、女性ながら政の才能も高い。アメジストがゲオルグの婚約者としてカンバーランドに滞在していた際、よく面倒を見ていた。
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